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ホタル情報館 (ホタル情報交換 29:26,2007年) 2008年7月13日掲載

◇コモチカワツボ(外来種)の分布拡大
 2007年2月6日読売新聞夕刊に「外来巻き貝増殖」という記事が掲載されました。繁殖力の強いニュージーランド原産の巻き貝“コモチカワツボ”が神奈川県の8河川で繁殖していることが同県環境科学センターの調査で確認されたとそうです。コモチカワツボはゲンジボタルのエサとなるカワニナにそっくりで、確認地点がホタルの名所として知られる鎌倉、箱根、湯河原などと重なることから、ホタルのエサとして移植された可能性もあるようです。実際に、ホタルのエサとしてコモチカワツボを販売していた業者がいるとのことですから、他の地域でも定着している可能性が高いと思われます。
 神奈川県では相模川を中心にやはり外来種の二枚貝タイワンシジミが分布を拡大していることが向上高校生物部の調査で明らかになっていますが、この調査過程で湧水などでもタイワンシジミが見つかり、聞き取り調査からホタルの復活のためにカワニナを放流したさい、一緒に採集され移植されてしまったことが明らかにされています(神奈川自然誌資料,第26号)。 コモチカワツボは国の特定外来生物に指定されていないため、輸入や販売、移動が法律や条例で規制されていません。しかし、ホタルの復活に外来種のコモチカワツボを使ってはなにもなりません。また、タイワンシジミのように意図せずに移動に手を貸してしまうこともあります。せっかくのホタルの復活の活動が批判されることのないように、ホタルのエサの確保にあたっては慎重に行動していただければと思います。
(編集委員会)

(全国ホタル研究会 編集委員会)

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